地味女子コトコの絵日記

私は用心深ーい地味女子です。 どうしてこうなった? →ヒント:オバ

熱烈片想いが冷めた瞬間、目撃しました!

クマ出没!が原因です(*_*) 

私の数少ない友人の1人、同じ大学のアミちゃん(仮名)は、ここ1年くらい片想いしていました。
相手は、アメリカ人留学生のポール君(仮名)。

留学生 片想い
アミ「あ~、ダメだ。苦しい。
          ポールが好きすぎるぅぅぅぅぅ」

でも、ポール君にはカノジョさん(現在ドイツ在住のアメリカ人)がいた為、アミちゃんはずっとけなげに片想いの身でいたのでした。

そんな事情が一転! 夏休み直前のことです。

カノジョと別れた告白

とつじょ天から舞い降りてきたチャンス!!
恋するアミちゃんは逃しませんでした!

アミ「じゃ、ドライブ行く?
           私、クルマ出すから」
おー、誘った! すごい、アミちゃん! 頑張れ!
ポール「わぉ、いいねー。
              アミとボクと2人?」
アミ「え? いや、コトコと3人。
   隠れ野だっけ?
   コトコ、行きたいんだよね?」

えーー( ´△`) ただ、確認しただけでしょ、ポール君は。2人だと不満、みたいな感じはまったくなかったのに、恋するアミちゃん、急に弱気になっちゃったみたいです。しかたない、ダシにでもなんでも使っておくれ。

コト「てか、隠れ野じゃなく、
   戸隠だから」
アミ「あ、それそれ、戸隠!
   戸隠神社、行きたいんだよね?」
コト「はい」
ポール「じゃ、決まりだね」

というわけで、夏休み突入後、お盆明けに3人で戸隠へ行くことになりました。

戸隠(長野県)は、日本神話の天岩戸伝説に出てくる神々が祭られている神社の点在する山深い地です。
この地に横たわる戸隠山は、天岩戸が飛んできて山になったとか。

戸隠神社奥社

私達の目的は、戸隠神社の奥社
長―い参道(2㎞くらい)があって、その中間地点を過ぎると奥社まで樹齢400年を超える杉並木が続いています。

この荘厳な杉並木の写真をオバの家で見つけて、すごい!行ってみたい!と。
今年に入ってから日本神話に興味が芽生え、少しずつ学んでいる最中でもあったので、やっぱり縁があるみたい!(←こじつけ)呼ばれてる!(←こじつけ)と思ったのです(*ノωノ)

いけない、いけない。今日の話題のメインはアミちゃんの片想いでした。話を戸隠行き当日に戻して―――。
早朝、アミちゃんがクルマで私とポール君を順番にピックアップ。

ドライブ

私はクルマに乗って間もなく眠りに落ち、目的地に着くとパッチリ目覚めるという子供の頃からのゲンキンな癖があります。アミちゃんと2人だと、さすがにこれはナイですが、この日はポール君が一緒です。
アミちゃん、ファイト!
私は心置きなくグースカして、まるでワープしたように戸隠神社奥社参道入り口の駐車場に到着しました(^-^;

コト「アミちゃん、ポール、
   ちょっと待って!」

クマ鈴

コト「うん、ツキノワグマだって。
   参道に出ることあるって、
   いろんなとこに書いてあった」
アミ「えー、ヤバいじゃん」
コト「てか、クマと遭遇するのは稀。みた
   いなことも書いてあったし念の為だ
   よ」
ポール「てか、もし遭遇したら?」
    ↑メチャ真剣
コト「クマに背中向けて逃げると、獲物だ
   と思われるらしいの」
ポール「ってことは、クマに背中を見せて
    逃げてはいけないということです
    ね」←何故か敬語
コト「だね」
アミ「コワッ(>_<)」
ポール「大丈夫。
    ボクがついてるから(^_-)-☆」
    キラキラキラ~
一句。《ポール君、生まれながらの レディキラー》お粗末すぎ(-_-;

ポール「でも、気持ちいーねー。
    来てよかったよ」
アミ「そお?(n*´ω`*n) よかった❤」

おっ、なんかいいカンジ?
アミちゃん、この霊験あらたかな地で片想いを成就させることになるのか???

コト「では、まいりますよー」
私達は時々クマ鈴を鳴らしながら順調に参道を進み、中間地点の随神門(朱色で屋根は茅葺き)を抜けました。
おーっ! ものすごい杉並木! 
感動しまくり°˖✧◝(⁰▿⁰)◜✧˖°

しかし、その時は迫っていました!

コト「ちょっと止まって」
参道の両側、杉並木の下は濃緑の大きな草で覆いつくされています。その濃緑の中にチラッ、ホラッと何か黒い物が動いているのが私の目の端に映り込んだのです。もしやと思って数秒後……、

クマ出没

アミ「うそっ! クマ!!」

私達の20メートルくらい先、濃緑の中から参道に現れたのは、真っ黒なクマ! 大きさは秋田犬くらい。子グマだと思います。ということは母グマが側にいるかもです。

参道を歩いていた人達はみんな立ち止まりました。私達の後ろを歩いていた2人連れも、50メートル先くらいに見えるグループ(奥社から戻ってきたと思われる)も。

アミ「ヤバくない? どーする?」
ポール「(唇に人差し指を添えて)
    しーっ!
    マズイでしょコレ! ゴー!」
後ろ走り クマから逃げる

ポール君、まるでアニメの中の自由自在に動ける人みたいに後ろ走りでヒュルヒュルヒュル~と逃げていきます。おひとりで。私達を残して。
「ボクがついてるから(^_-)-☆」云々とはいったい………(;・∀・)

アミちゃんは、驚きのスピードで遠ざかっていくポール君を見つめ、しばし固まっていました。

片想いが冷めた瞬間

↑↑↑アミちゃんの熱烈片想いが冷めた瞬間です。

この後どうなったかというと……、

子グマは5分ほど参道にとどまった後、姿を現したのとは反対側の濃緑の草の中へ消えていきました。参道に落ちていたピンクのタオルハンカチをモグモグしていたので、目ざとく見つけて出てきたのかもしれません。タオルハンカチに興味があったのか???
母グマはもしかしたら近くにいたのかもしれませんが、けっきょく現れませんでした。気配も感じなかったなぁ。

アミちゃんと私は、他の人々の動向に合わせてその場に立ち止まったまま子グマを静かに見送りました。

アミ「どーする?」
コト「行く。一応、目の前の脅威は去った
   ようだし、けっこう人いるし、戻っ
   たとしても近くにクマがいることに
   変わりないと思うの」
アミ「だね。行こ行こ!」
コト「うん。ポールはどーするんだろ?」

私達の後方3~40メートルくらいにある随神門(参道の中間地点)に避難していたポール君は、|_◎;)←こんな感じ。

アミちゃん、スマホを取り出してポール君にコールしました。
アミ「クマいなくなったよ」
ポール「って、まさか行くの?」
アミ「まさか行かないの?」
ポール「行かないよ! あり得ない!」
アミ「ふ~~~ん、わかった。
   じゃ、私達は行くから、
   ポールは駐車場で待ってて。
   じゃね、バーイ!!」

で、私達は奥社へ向かいました。だんだん険しくなる参道を黙々と。
山のてっぺんにある奥社に着いたら、心地よい風がサワサワサワサワ~~。

コト「大丈夫?」
アミ「うん。なんか憑き物が落ちた感じ?
   ほんとだよ」
コト「ほんとなんだ?」
アミちゃんはニッコリ、コックリうなずきました。

目が覚めた 

アミちゃん、カッコイイ! 熱烈片想いだったからそんなにスッパリ割り切れるものじゃないと思うけど、割り切ろうとしてる!
アミちゃんに幸あれ!!!

こうしてアミちゃんと私は参道入り口の駐車場に戻り、売店の休憩所で待っていたポール君と帰路に着きました。
クルマの中は行きと同じで、運転席にアミちゃん。助手席にポール君。そして、後部シートに私(ちなみに寝ませんでしたよ。ずっと起きてました←当然じゃ!)

アミちゃんとポール君は、ふつーに、楽しそーに、お喋りしてました。
アミちゃんの顔に再び恋のふわっふわっが戻ることはありませんでしたが―――。

ポール君は気のいい男子です。
ただ、アミちゃんがポール君の中に見ていたベジータは消えてしまったのだと思います。

ベジータ
って、アミちゃん、ベジータみたいな人間はいないから(^_^;)


いつか、何十年か経った頃、またアミちゃんと一緒に戸隠へ行きたいと思います!